当院のインスタグラムに投稿しました女性ホルモンシリーズ。
前回のブログにて女性ホルモンの概要についてまとめました。今回は月経前症候群(PMS)についてその概要や対処法、予防法についてまとめていきます。
月経前症候群とは
「月経前、3~10日の間続く精神的あるいは身体的症状で、月経開始とともに軽快ないし消失するもの」
と定義されております。
女性の8割以上が経験しているようで、私も月経前はイライラしやすかったり眠くなったりします。
具体的な症状としては以下のものが上げられます。
- 乳房の張り、痛み
- お腹の張り
- 体重増加
- むくみ
- 肌荒れ
- うつ傾向
- イライラ
- 情緒不安定
たくさんありますね。皆さんも心当たりのある症状があるのではないでしょうか。
では、なぜこのような症状が出てしまうのでしょうか?
これは月経周期とホルモンの分泌量が関係しています。排卵後、プロゲステロンの分泌量が増えることが関係していると考えられています。
プロゲステロンには以下のような作用がありました。
- 基礎体温の高温期を作る
- 骨盤内に血液を貯める
- 食欲増進
- 抑うつ状態を作る
- 血糖値の低下
- 体のむくみを招く
- 腸の働きが低下する
このような作用のあるプロゲステロンの分泌量が月経前に増加することで体の不調を呈すると考えられます。
また、自律神経の調整をしてくれるエストロゲンの分泌量が減少することも不調の要因と考えられています。
さらに月経直前はプロゲステロン、エストロゲン共に急激に分泌量が減少します。この急激な女性ホルモンの分泌量の低下がストレスとなり、精神的な症状を招くとも考えられています。
では、対応策についてお話していきましょう。
今回は食事、ツボの2つの観点から説明していきます。
まずは食事で気を付けて頂きたいことから説明していきます。
月経前症候群の症状にうつ傾向、情緒不安定、イライラなどと言った精神的なものがありましたね。その原因として神経伝達がスムーズに行えていないことが考えられています。
そのため、神経伝達を助ける役割のある以下の食材がおすすめです。
〇カルシウム
乳製品、小魚など
〇マグネシウム
海藻類、ナッツ類など
〇ビタミンB6
サンマ、マグロ、牛レバーなど
また、自律神経やホルモンバランスを調整してくれる
〇ビタミンE
アボガド、アーモンド、うなぎなど
もおすすめです。
そして、月経前にエストロゲンの分泌量が低下することも月経前症候群の原因の1つでした。そのため、植物のエストロゲンと呼ばれている
〇イソフラボン
豆腐や豆乳などの大豆類
も女性ホルモンに似た働きをし、効果的であると考えられます。
逆に控えたいものとして、カフェインやアルコールなどの刺激物が上げられます。これは情緒不安定などの際にこれらを摂取することで神経を興奮させてしまい、症状を悪化させてしまう可能性があるためです。
次に月経前症候群におすすめのツボをいくつか症状をピックアップして紹介していきます。
〇お腹の張り
「子宮」:おへそから手のひら1枚下、そこから指4本分外側
子宮という名の通り、婦人科系のトラブルの際によく使われるツボです。お灸、カイロ、蒸しタオルなどで温めてあげるのがおすすめです。
〇むくみ
「陰陵泉」:骨際に沿って内ずねを上がっていったとき、指が止まるところ
水の溢れる深い泉という名の陰陵泉。前述したお腹の張りにも効果を発揮します。気持ちの良い圧で押してあげましょう。
〇イライラ
「太衝」:親指と人差し指の間を足首の方へなぞり指が止まるところ、動脈拍動部
足の甲にあるツボです。眼や筋肉の疲れがある際にもおすすめのツボです。気持ちの良い圧で押してあげましょう。
〇情緒不安定
「労宮」:指を握った時に人差し指と中指が当たる間のところ
気持ちを落ち着かせたいときに使われるツボです。手のひら全体をマッサージしてあげるのもおすすめです。
参考になりましたか?
月経前症候群でお困りの方、ぜひご参考くださいね。そして実践してみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。次は更年期障害についてもまとめていきます。